Engine Room

Steelbandの心臓部ともいうべきリズムセクションの事を指していて、Ironと呼ばれる鉄系のパーカッションを中心にしたもの。バンドのグルーヴを左右する大事なもの。

Felix I.R.Blake氏の著書を読み進むうち簡単に説明できないことが判明 数回に分けてお届けします。

しかし、ここでEngine Roomに入る前に触れておきたい点があります。

Tamboo-Bamboo

植民地時代、1884年当局より暴動の恐れとして禁じられたアフリカンドラムに変わるものとして民衆が考案したもの (禁止された背景には、当時ローマ・カトリックが多くのアフリカ系の人々にカトリックへ改宗させるためという独断的な意向があったようです。アフリカ系のドラム、当時の代表的なものはShangoと呼ばれるものですが、宗教的な儀式に通じるものであったためとか。 アフリカ系の人々が奴隷として多く連れて来られた悲しい歴史があります)

さて、その楽器についてですが

What is Tamboo-Bamboo

Tambooという言葉は、フランス語のTambourからきています、(元々アフリカはフランスの影響下にありましたので)Tanbour 簡単に言うと木製の深胴の太鼓の事
打楽器奏者の方々は、ビゼー等の楽曲で使われることでピンとくるでしょう。クラシックではTambour de basque と書かれることが多いですね、これはフランスとスペインの国境一帯のバスク地方にある太鼓のことですが。

そしてBamboo これは文字通り竹です。つまり、竹で作った長い太鼓という意味ですね。前置きが長くて失礼しました(^_^;)竹は成長が早く手っ取り早いという説もあります。

さて、これをどうやって楽器にするか・・面白いことが書いてありました。
基本は節と節の部分で一塊と考えていて、節の部分の強度が重要になります、地面にたたきつけるためですが。その際、竹は傷つきやすくシロアリなどにも食われるため伐採する時期の指定がありました。

新月の夜の間に伐採するのが切りやすくてベスト、虫もつきにくいそうな(^_^;)
その後一週間ほど乾燥させて準備完了 なんだか儀式がかってきました・・・

Tamboo-Bambooの種類

大きく分けて3種類

Bass Bamboo もちろん長くて太く重いもの 節が三つ分必要
長さ5ft (1.52m) 太さ5inch (12.7cm) 程度 これを持ち上げ地面に叩き落し低音を引き出す。またたたきつける角度で響きの調節をするそうだ。

Cutter Bamboo (Alt Bamboo) 長さ25inch(63.5cm) 太さ3.5inch(8.9cm) 節二つ分

The Foule (Soprano Bamboo) 長さ12inch(30.5cm) 太さ3inch(7.6cm) 節ひとつ分

大編成になるとCutterの一回り大きい Chandlersというのが加わる。(Tenor Bamboo)


Bass Bambooは持ち上げて地面にたたきつけ、小型のものは2本一組としてお互いの竹筒を縦にぶつけて鳴らす演奏スタイル
この楽器でパレードを行ったのは、1920年代ころ しかしながらこの楽器も後に規制対象となる。  

次回 いよいよEngine Room本編へ。


追記 文献中で内容に矛盾が生じたため 前後の文面および挿絵、
   また、写真のコメントから私が個人的に加筆訂正して翻訳した
   部分が多々あります。
   内容に沿って十分調査しましたが、最終的には個人的な判断に
   よるもので正確性に関しては揺らぎがあることをご了承下さい。


参考 Felix I.R.Blake氏著 Steelpan History and Evolution より