クアドロフォニック

パンの輸入に関わる者として、ラインナップは一通り揃えなくては
という気持ちもあり?(実は自分が見たかった)仕入れてみました。
でも、見なければ怖くて買えませんよね・・
最近の日本のスティールバンドも人数が増えて充実してきているの
で、そろそろ出番かなと・・・

先月open した、Steelpan Garageでも お客様の目を引く楽器として
ダントツの人気を誇ります!!
物珍しいということもあるのでしょうが、多くの方が恐る恐るマレット
片手に体験されていましたね
今では、誰が最初に買うのか話題になっております

僕の把握している限りでは、関西地区の某音大に1set、キュレップの
村治氏が1set所有してますが、実際に演奏しているところを見たことが
ありません。

さてさて、肝心のクアドロのことですが、以前このブログでも取り上げた
ことがありますが情報が少なくてさらっと触れた程度でした。
以前調べた際には、カナダが発祥などという意見があると、とあるHPでみた
記憶があったんですが、今調べたら見あたらなくなっていました・・(T_T)
できるだけがんばって調べました、間違いはその都度訂正、加筆していく
つもりですのでご容赦ください。

では 本題に

クアドロフォニック

1970年代後半になると、Steel Bandも大編成化してくるようです
そこで、アレンジも多様化してくるのですが、人数が増えてくると
全体のパワー感は出てくるのですが、聞かせたいメロディーライン
の輪郭がぼけてきます。
聞かせどころで、他のパートにユニゾンをとらせると、本来のパート
が薄くなってしまい、どうもうまくいきません・・
高音域と中低域の間が分離してさびしく聞こえてくることもあります
そこで、曲の間のすべての聞かせどころを担う楽器がないかと・・・
1975年 デスペラードスのリーダーであったRudolph Charles氏が
ダブルセコンドの音域を広げるという発想でアイデアを出しました。
そこで当時のデスパのチューナー,Tony Slater,Lincorn Noel氏と
開発チームを立ち上げ、試行錯誤の上1976年 カーニバル時期に完成
その年のパノラマに投入しました


クアドロの音域としては、4-celloのLow B〜D/TenorのHigh Bまでの3oct
と非常に幅広い音域です。(36音)
それぞれのpan(4個それぞれ)構成音はオーギュメント配列になっており
(過去ログ参照)
セコンド、ギターの響きを踏襲する作りとなっている。
あるときはテナーのメロディー、あるときはギターのバッキング、また
あるときはチェロのメロディーと目立つところすべてを補強するという
おいしいところ取りの楽器でもありますが、それゆえにタフであり演奏の
難易度の高い楽器といえます。製作者によってはさらに音域の広い楽器
40音や42音といったものもあるようです(未確認情報)

あまりにも音域が広いために、ひとつのマレットの前後にセコンド用と
ギター用のラバーをつけて、ひっくり返して使うらしいのですが
演奏経験者によると弾き始めるとそんな暇もなく、ややこしくて使いこな
せない・・・結局セコンド用で最後までたたく・・・
なんて意見もありました。

演奏スタイルも、2個をhang up(正面に立てにつるす)2個をセコンドの
用に下げるのと、4-celloのように水平に4個ラックに組んでしまう事も
あるようです。
いずれにしても、あっちこっち飛ぶので見てるほうは格好いいけど、やる方は
かなり大変ですね・・


さてさて、1976年にクアドロを投入したデスパですが、その年のお題はといえば
キッチナーのPan in Harmony アレンジャーは、ブラッドリーという組み合わせ
これで、なんと優勝してしまうのでした!!

今年、PANLANDはこの名曲Pan in Harmony を新曲として取り上げていることもあり
調べながら鳥肌が立ってきました。
そろそろクアドロ・・・・

ではまた